「スタティック」とは、IT業界において広く使われる言葉であり、様々なコンテキストで異なる意味で使用されます。以下では、主にプログラミングの文脈における「スタティック」について詳しく説明します。
まず、「スタティック」とは、静的な、不変的なといった意味を持つ英単語です。プログラミングにおいては、この意味に基づいた様々な用途で「スタティック」という言葉が使われます。
1. スタティック変数(Static Variables):
スタティック変数は、あるメソッドや関数内で定義され、その値が複数回呼び出されても同じ値を保持する特殊な変数です。通常のローカル変数とは異なり、スタティック変数はメソッドや関数が呼び出されるたびに初期化されず、一度初期化された後は値が保持され続けます。スタティック変数は主にデータの共有に使用され、特に同じクラス内の複数のメソッドで共有されるデータを保持するのに便利です。
2. スタティックメソッド(Static Methods):
スタティックメソッドは、クラスレベルで定義され、特定のインスタンスに依存せずに呼び出されるメソッドです。スタティックメソッドは、クラスのインスタンスを作成せずに呼び出せるため、便利なユーティリティ関数や共有メソッドとして使用されます。また、スタティックメソッド内では、スタティック変数や他のスタティックメソッドを直接参照することができます。
3. スタティッククラス(Static Classes):
スタティッククラスは、インスタンスを作成できない特殊なクラスです。スタティッククラスには、通常のクラスと同じようにフィールド、メソッド、プロパティが含まれますが、これらはすべてスタティックです。スタティッククラスは、関連するユーティリティメソッドやヘルパーメソッドをまとめるために使用され、インスタンスの作成や状態の管理を必要としない場合に便利です。
4. スタティックブロック(Static Blocks):
スタティックブロックは、クラスが初めて読み込まれた時点で実行されるブロックです。通常、スタティックな初期化処理を行う際に使用され、クラス内のスタティックフィールドの初期化や、外部のリソースの初期化、設定の読み込みなどを行います。スタティックブロックは、クラス内に複数の存在ができ、上から順番に実行されます。
また、「スタティック」は、静的な、不変的なという意味から、プログラミング以外の文脈でも使われることがあります。例えば、Webページのスタイルシートにおいて、スタティックなプロパティは、固定されたスタイルルールであり、動的に変化しないという意味で使われます。
以上が、IT業界で使用される「スタティック」の主な意味と用法です。プログラミングにおいては、スタティックな変数やメソッド、クラス、ブロックが使用され、特定のインスタンスに依存せずに共有されるデータや処理を表現するために利用されることが一般的です。