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現場でよく聞くIT用語!!「ブランチ」について解説!

ブランチとは、IT業界においてソフトウェア開発やプロジェクト管理などにおいて、ソースコードや作業環境を分岐させるための仕組みのことを指します。

ソフトウェア開発では、一つのプロジェクトに複数の開発者が参加し、同時に複数の機能や修正を行うことがあります。このような場合、複数の開発者が同じソースコードを編集してしまうと、互いの変更が衝突してしまい、プログラムが正しく動作しなくなる可能性があります。また、作業環境やテスト環境も開発者ごとに異なる場合があります。このような問題を解決するために、ブランチが使われます。

ブランチでは、一つのソースコードや作業環境を、それぞれの開発者や開発の進捗に合わせて分岐させることができます。分岐後のブランチは、独立した空間として扱われ、他のブランチとは独立した開発が行えます。つまり、一つのメインのソースコードや作業環境から派生した他のバージョンを作り出すことができるのです。

ブランチを作ることで、複数の開発者が同時に作業を進めることができ、それぞれの変更や開発進捗を独立して管理することができます。また、作業環境やテスト環境もそれぞれのブランチに合わせて設定することができるため、互いの作業やテストの干渉を避けることができます。

ブランチは、主にバージョン管理システム(Version Control System、以下VCS)と呼ばれるツールによって管理されます。代表的なVCSとしては、GitやSubversion(以下SVN)があります。これらのVCSでは、ブランチの作成、切り替え、マージなどの操作が簡単に行えるため、開発者はスムーズにブランチを利用することができます。

ブランチは、開発の進捗や目的に応じて作成されます。たとえば、新機能の開発を行う場合には、メインのソースコードから新しいブランチを作成し、そこで開発を行います。このようにして、新機能の開発と既存機能の修正などを同時に進めることができます。また、ブランチは複数作成することも可能であり、必要に応じて新たなブランチを作成して開発を進めることもできます。

ブランチは作業単位や目的ごとに管理され、開発の進捗や品質を管理する上で重要な役割を果たします。作業の進捗や品質が安定するまでメインのソースコードにマージすることはありませんが、作業が完了し、確実に動作することが確認された場合には、ブランチの変更内容をメインのソースコードにマージすることが行われます。これにより、開発進捗の確認や品質の管理が行われます。

さらに、ブランチは機能の追加や修正だけでなく、不具合修正やバグ修正にも利用されます。不具合が発生した場合には、その不具合が修正されるまでの間、メインのソースコードを変更せずにブランチで修正作業を行います。修正が完了し、動作が確認された場合には、ブランチの変更内容をメインのソースコードにマージします。

以上のように、ブランチは複数の開発者や開発の進捗に合わせてソースコードや作業環境を分岐させることができる仕組みです。この仕組みを活用することで、複数の開発者が同時に作業を進めることができるだけでなく、作業環境やテストの干渉を避け、開発の進捗や品質を管理することができます。ブランチは、ソフトウェア開発において欠かせないツールの一つとされ、効果的なソフトウェア開発を支えています。