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現場でよく聞くIT用語!!「DDoS」について解説!

DDoS(Distributed Denial of Service)は、情報技術(IT)業界でよく使われる用語であり、コンピューターシステムやネットワークへの攻撃手法の一つです。この攻撃手法は、複数のコンピューターを利用して、対象のシステムやネットワークに同時に多数のリクエストを送信することによって、そのリソースを過負荷状態に追い込み、正常な利用者がシステムやネットワークにアクセスできなくなるようにします。

DDoS攻撃は、インターネット上のコンピューターやインターネット接続デバイス(IoT)など、大規模なボットネットと呼ばれるネットワークに感染したシステムを使用して行われます。攻撃者は、自身のコントロール下にあるこれらのコンピューターやデバイスを使用して、攻撃対象となるサイトやネットワークに大量のデータパケットを送信します。この攻撃の結果、被害者システムは正常なサービスを提供する能力を失い、クラッシュする可能性があります。

DDoS攻撃の主な目的は、被害者のシステムやネットワークを利用不能にすることです。これにより、攻撃者は様々な目的を達成することができます。例えば、企業への脅迫や要求に応じるよう迫ることが挙げられます。また、政治的な動機から、特定のウェブサイトやオンラインサービスを停止させることで、意見の表明や意図的な混乱を引き起こす場合もあります。

DDoS攻撃は、その手法や規模によってさまざまな種類に分類されます。例えば、SYNフラッド攻撃は、TCP/IPハンドシェイクの最初のステップ(SYNパケットの送信)を乱雑に行うことで、リソースを消費させる攻撃です。UDPフラッド攻撃は、UDP(ユーザーデータグラムプロトコル)に基づくサービスを使ってリソースを過負荷にさせる攻撃手法です。ICMPフラッド攻撃は、ICMP(インターネット制御メッセージプロトコル)エコー要求メッセージ(ping)を送信することで、システムを負荷する攻撃です。

DDoS攻撃から保護するための一般的な手法には、トラフィック分析とフィルタリング、信頼できるホスティングプロバイダーの利用、ロードバランサーの設置、増強されたインフラストラクチャの構築などがあります。その他にも、攻撃トラフィックを分散させるために、CDN(コンテンツデリバリネットワーク)を使用したり、より高度なセキュリティ対策を実装したりすることも重要です。

DDoS攻撃は現代のインターネットにおいて頻繁に発生している深刻な問題の一つです。そのような攻撃から保護するためには、セキュリティ意識の高い対策が必要とされます。ビジネスや組織は、適切なセキュリティ対策を講じることで、サービスの可用性を確保し、重大な被害を回避することができます。