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現場でよく聞くIT用語!!「FTP」について解説!

FTPとは、File Transfer Protocolの略称であり、ファイルの転送や共有を行うためのプロトコルです。FTPは、クライアントサーバー間でのデータの送受信を可能にし、異なる場所やネットワーク上のコンピュータ間でファイルを転送するために広く使われています。

FTPの基本的な機能は、ファイルのアップロード(送信)とダウンロード(受信)です。クライアント側のユーザーは、専用のFTPクライアントソフトウェアを使用して、サーバーへの接続を確立します。接続が確立されると、クライアントはサーバー上のファイルシステムの一部にアクセスすることができます。そして、ファイルのアップロードやダウンロードを行うことができます。

FTPは、セキュアでないプロトコルであるため、通信は暗号化されません。したがって、ファイルの送信や受信中にデータが傍受される可能性があります。一部のFTPクライアントやサーバーは、SFTP(SSH File Transfer Protocol)などのセキュアな拡張機能をサポートしており、通信を暗号化して安全性を高めることができます。

FTPは、効率的で信頼性の高い転送を提供するために、いくつかの特徴を持っています。まず、ファイル転送中にエラーが発生した場合、送信が中断されたり、転送が繰り返されたりすることがありません。また、大きなファイルを分割して転送することができ、途中で中断すると、再開する事が可能です。さらに、FTPは、複数のクライアントが同時に接続している場合でも、リソースを効率的に管理することができます。

FTPは、さまざまな目的で利用されています。例えば、ウェブサイトのファイルやデータベースバックアップを転送するために使用されることがあります。また、リモートサーバーにアクセスしてファイルを更新したり、チームメンバーとの間でファイルを共有するために使用されることもあります。さらに、ソフトウェアの配布やアップグレードなどにも広く利用されています。

一般的なFTP操作には、以下のステップが含まれます。

1. FTPクライアントを起動し、サーバーに接続します。クライアントは、サーバーのアドレス、ポート、ユーザー名、パスワードなどの情報を要求します。

2. サーバーに接続した後、クライアントはサーバー上のファイルシステムの内容を表示します。ユーザーは、ファイルを選択し、アップロードまたはダウンロードの操作を指示します。

3. ファイル転送操作が完了すると、クライアントは接続を閉じるか、別のファイルを転送するためにサーバーに接続を維持するかを選択することができます。

FTPは、インターネットの黎明期から存在しており、依然として広く使用されているプロトコルの一つです。しかし、近年では、よりセキュアな転送方法が開発されたため、一部の企業や個人ユーザーは、FTPの代わりにSFTPFTPS(FTP over SSL/TLS)などのセキュアなプロトコルを利用しています。また、クラウドストレージの普及により、FTPよりも使いやすく、柔軟性のあるファイル転送方法が増えています。