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現場でよく聞くIT用語!!「マージソート」について解説!

マージソートは、一つの大きな配列を複数の小さな部分配列に分割し、それぞれをソートして最終的に結合することで、効率的にソートを行うアルゴリズムです。

マージソートは、分割統治法に基づいています。まず、ソート対象の配列を最も小さなサイズになるまで細かく分割していきます。そのため、再帰的に処理を行うことが特徴的です。分割が完了したら、それぞれの部分配列を結合することでソートを行います。

具体的な手順を説明します。まず、与えられた配列を二つの部分配列に分割します。それぞれの配列について再帰的に同じ処理を行い、さらに細かく分割します。これを部分配列が一つの要素になるまで繰り返します。

次に、結合のフェーズです。マージソートでは、結合しながらソートを行います。二つの部分配列を比較しながら、小さい要素を新たな配列に追加していきます。この結合の際の比較によって、要素の順序が決まります。比較した要素のうち、小さい方を新たな配列に追加することで、部分配列をマージしていきます。

最後に、先ほどの結合を繰り返し行うことで、最終的なソート結果を得ることができます。マージソートは、分割した配列を再び結合する際に新たな配列を作るため、一時的な領域が必要です。そのため、メモリ使用量が大きくなるという特徴もあります。

マージソートの時間計算量は、一つの部分配列を結合する際に比較回数が決まります。各部分配列の要素数をnとすると、結合のフェーズではn回の比較が行われます。また、分割のフェーズでは再帰的に処理を行うため、データを半分に分割するのにO(log n)の計算量がかかります。したがって、マージソートの時間計算量はO(n log n)となります。

マージソートは、安定なソートアルゴリズムであり、データの整列状況によらず一定の性能を発揮します。また、分割や結合の過程で大量のデータを扱っても、メモリ使用量が予測可能であるため、実装しやすいという利点もあります。

しかしながら、マージソートは追加のメモリ領域が必要なため、ソート対象のデータが非常に大きい場合はメモリ不足に陥る可能性があります。また、再帰的な処理を行うため、関数呼び出しのオーバーヘッドが発生することも考慮しなければなりません。

以上が、IT業界で使われるマージソートの概要です。分割統治法に基づくこのアルゴリズムは、大量のデータをソートする際に高い効率性を示し、安定なソートを実現する手法として広く利用されています。