村上誠一郎の「国賊発言」とは?安倍元首相を批判、1年間の党役職停止処分

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はじめに

2026年1月26日、自民党の比例代表名簿で村上誠一郎前総務相が四国ブロック10位に登載され、事実上の「落選確実」と報じられました。この比例順位降格の背景にあるとされるのが、2022年の「国賊発言」です。村上氏は安倍晋三元首相の国葬に反対を表明し、安倍氏を「国賊」と呼んだと報じられました。この発言により、自民党から1年間の党役職停止処分を受けた村上氏。本記事では、「国賊発言」の詳細と、その後の経緯について解説します。

村上誠一郎の「国賊発言」とは?

2022年9月20日、党本部での発言

2022年9月20日、村上誠一郎氏は党本部で記者団の取材に応じ、安倍晋三元首相の政権運営について次のように語りました。

「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊して、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に選挙まで手伝わせた。私から言わせれば国賊だ」

安倍氏は2022年7月8日、奈良県で街頭演説中に銃撃され、死亡。その約2ヶ月半後に行われる国葬について、村上氏は「最初から反対だし、出るつもりもない」と欠席を表明しました。

安倍元首相の国葬への反対

村上氏は、安倍氏の国葬について毎日新聞のインタビューで次のように述べています。

「非業の死を遂げた方を弔うのは自分としても感情的には理解できる。しかし、判断の明確な基準が必要です。例えば佐藤栄作さんや中曽根さん、おじいさまの岸信介さんも国葬ではなかった。なぜ安倍さんだけ国葬なのかというと、なかなか説明が難しい」

「時の政権の恣意的なやり方だとの批判を免れない。もう少し腰を据えて幅広く考えるべきだったのではないか」

国葬の決定過程に疑義を唱え、公然と反対を表明した村上氏。自民党内で国葬に反対の声を上げた数少ない議員の一人でした。

「国賊」発言の真意

翌日には釈明「覚えていない」

発言が報じられた翌21日、村上氏は記者団に対し次のように釈明しました。

「(安倍氏の)責任は重いということを言いたかった。国賊という言葉を使ったかは覚えていない」

安倍政権への批判の内容

村上氏が安倍政権を批判した理由は、以下の点でした。

  • 財政: 国債発行額の増大、財政赤字の拡大
  • 金融: 異次元の金融緩和による副作用
  • 外交: 北朝鮮問題、日露関係など
  • 官僚機構: 森友・加計学園問題での官僚の関与
  • 旧統一教会問題: 自民党と旧統一教会の関係

村上氏は、これらの問題について安倍氏の責任は重いと考えていました。

自民党の処分:1年間の党役職停止

安倍派が厳正処分を要求

村上氏の発言が報じられると、自民党内から批判が殺到しました。

特に安倍派(当時)は、塩谷立会長代理が茂木敏充幹事長と会談し、村上氏の厳正な処分を申し入れました。

党紀委員会で審査

2022年10月12日、自民党の党紀委員会が開かれ、村上氏の発言が審査されました。

党紀委員長は安倍派の衛藤晟一参院議員。

村上氏は党紀委に弁明書を提出し、「今回の記事は予想だにしない記事で誠に不本意。自分の不注意で混乱を起こしたことは深く反省し、撤回し、改めて謝罪申し上げます」と述べました。

1年間の党役職停止処分

党紀委員会は、村上氏の発言について「党員としての品位をけがす行為に当たる」と認定し、1年間の党役職停止処分を決定しました。

処分は8段階のうち3番目に軽いものでしたが、常設の最高意思決定機関である総務会のメンバーから外れることになりました。

村上氏は処分決定後、記者会見を開き、「処分を重く受け止めます。発言を撤回し、深くおわび申し上げます」と陳謝しました。

村上誠一郎、安倍政権時代の「党内野党」

安倍政権に批判的な姿勢

村上誠一郎氏は、安倍政権時代、自民党内で数少ない「党内野党」として知られていました。

安倍政権が推進する政策に対し、公然と批判の声を上げることが多かった村上氏。以下のような問題で安倍氏と対立しました。

集団的自衛権の行使容認に反対

安倍内閣が推進した集団的自衛権行使のための憲法解釈変更について、村上氏は批判的でした。

「行政府が法解釈して自分で勝手にやれば、立憲主義を否定することになる」
「(ナチスと)同じ愚を繰り返す」

2015年5月12日の自民党総務会では、安全保障関連法案について「憲法が有名無実化する」「憲法改正なしで集団的自衛権を行使することには疑念がある」と反対を表明しましたが、最終的に挙手採決に持ち込まれ、村上氏は途中退席しました。

特定秘密保護法に反対

2013年11月26日、衆議院本会議で行われた特定秘密保護法案の採決に際し、村上氏は体調不良を訴えて議場から退席しました。

記者に対し、「いろいろな問題が残っているのに、政治家として(賛成する)自信があるかと言ったら、あるわけない」と述べ、「多数決は100人のうち99人が間違っていても、そっちが正義になっちゃうんだ。ファシズムなんていつでも起きる危険性があるんだよ」と批判しました。

自民党で投票を棄権したのは村上氏ただ一人でした。

森友・加計学園問題でも批判

安倍内閣による森友学園問題・加計学園問題への対応について、村上氏は「評価しない」と回答しました。

2022年の毎日新聞の取材では、「森友・加計・桜を見る会は国民の不信を完全には払拭できていないのではないか。森友問題では近畿財務局の職員が自死に追い込まれた。これらの政治的、道義的責任は安倍氏の功績とは別次元の話です」と語っています。

特に加計問題の焦点となった岡山理科大学獣医学部が、村上氏の選挙区内の今治市に開設されたことから、疑惑が解明されていないことに忸怩たる思いがあるといいます。

石破内閣で19年ぶり入閣も

2024年10月、総務相に就任

2024年10月1日、石破茂内閣が発足し、村上誠一郎氏は総務相に起用されました。

村上氏の入閣は実に19年ぶり。

石破氏と並ぶ「党内リベラル」の代表格である村上氏の入閣は、旧安倍派からは反発を招きました。

旧安倍派の若手議員は、「安倍元首相がいた時代なら、ありえなかった。天下が『リベラル』に取られ、時代が完全に変わってしまった」と嘆息しました。

「アベノミクスの負の遺産」発言

総務相就任後、村上氏は記者団に対し、裏金問題や旧統一教会問題を挙げて「前任者のいろんな負の遺産がある。これをどう解消しながらやっていくかというのは非常に難しい」と述べました。

株価の乱高下や円安についても、「残念ながらアベノミクスの負の遺産だと思う」と指摘しました。

「遺族には謝罪した」

総務相就任時、「国賊」発言について問われた村上氏は、「遺族の方にはすぐに謝罪した」と釈明しました。

一方で、「私は政治家として、論理的におかしいことはおかしいと言ってきた。ずっと正論を言い続けたつもりだ」とも主張しました。

まとめ

村上誠一郎氏は、2022年9月20日、安倍晋三元首相の国葬に反対を表明し、安倍氏を「国賊」と呼んだと報じられました。「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した」と批判。自民党は村上氏を1年間の党役職停止処分としました。村上氏は安倍政権時代、集団的自衛権の行使容認、特定秘密保護法、森友・加計学園問題などで批判的な姿勢を貫いた「党内野党」でした。2024年10月に石破内閣で総務相に就任しましたが、2026年1月の衆院選比例名簿では四国ブロック10位に降格され、事実上の落選が確実となりました。


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