はじめに
2026年1月25日、福井県知事選挙で歴史的な当選が決まりました。元外務省職員の石田嵩人(いしだ・たかと)氏(35歳)が、無所属新人として初当選を果たし、全国最年少の現職知事となりました。セクハラ問題で前知事が辞職した福井県で、若さと刷新を掲げた石田氏が、保守分裂選挙を制して勝利。戦後の公選知事では2番目の若さとなる35歳の新知事誕生に、全国から注目が集まっています。
福井県知事選挙2026、石田嵩人氏が初当選
開票結果
2026年1月25日に投開票された福井県知事選挙は、以下の結果となりました。
当選: 石田嵩人(いしだ・たかと)35歳・無所属新人・元外務省職員
次点: 山田賢一(やまだ・けんいち)67歳・無所属新人・前越前市長(自民支持)
3位: 金元幸枝(かねもと・ゆきえ)67歳・共産新人・党県書記長
石田氏と山田氏の票差は4,330票。接戦を制しての勝利でした。
投票率は過去最低46.29%
当日有権者数は61万979人。投票率は46.29%で、2023年の前回知事選(51.08%)を4.79ポイント下回り、過去最低となりました。
選挙戦後半の1月21日から県内各地が断続的な大雪に見舞われた影響もあり、投票率は伸び悩みました。
石田嵩人とは?プロフィールと経歴
基本プロフィール
氏名: 石田嵩人(いしだ・たかと)
生年月日: 1990年2月5日(35歳)
出身地: 福井県福井市
最終学歴: 政策研究大学院大学修了
経歴: 外務省職員(2015年入省、2025年12月退職)
家族: 父は外科医
趣味・特技: 英語
学歴の詳細
- 福井大学教育地域科学部附属中学校 卒業
- 北陸学園北陸高等学校 卒業(2008年)
- 関西外国語大学国際言語学部 卒業(2012年)
- パシフィック大学(アメリカ) 卒業
- ジョージタウン大学(アメリカ) 修士課程修了
- 政策研究大学院大学(GRIPS) 博士課程修了
外務省でのキャリア
2015年に外務省に入省。専門職として以下の職務を歴任しました。
- 外務省北米局(研修生、2015-2016年)
- ジョージタウン大学留学(研修、2016年頃)
- 在ザンビア共和国日本大使館 三等書記官
- 在メルボルン日本国総領事館 副領事(2020-2022年)
- 外務省経済局資源安全保障室 外務事務官
2025年12月24日付で外務省を退職し、知事選出馬に備えました。
幼少期ロンドンで育ち、9.11で国際関係に目覚める
石田嵩人氏は、外科医である父の仕事の都合で、幼少期を英国・ロンドンで過ごしました。
小学6年生のとき、2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件の報道を見て、国際関係に興味を持つようになります。
「英語を使って何か大きな仕事がしたい」
この志が、後の外交官への道につながりました。
関西外国語大学で猛勉強、国連を夢見た青年時代
2008年、北陸高校を卒業した石田氏は、関西外国語大学国際言語学部に入学。
しかし、帰国子女でありながらも、入学当初は周りの英語のレベルについていけませんでした。
「いい意味で勘違いしていたというか、『英語を活かして、何か大きな仕事をする!』という志だけは高かったので、とにかく関西外大時代は猛勉強していました」
石田氏は図書館に毎日通い、英字新聞の精読、CNNニュースのシャドーイング、映画DVDでの発音練習など、猛烈な勉強を重ねました。
もともとの夢は「国連で働くこと」。しかしアメリカ留学をきっかけに「日本のために働こう」と決意し、外交官の道を選びました。
出馬の経緯:「ふるさとへの恩返し」
石田氏が福井県知事選への出馬を決めたのは、2025年12月25日のことでした。
前知事の杉本達治氏(63歳)が、県の女性職員にセクハラに当たるメッセージを送ったとして辞職。急遽実施されることになった知事選に、福井市議会の保守系会派が石田氏を擁立する動きが加速しました。
石田氏は記者会見で次のように述べました。
「東京や海外で公務員として働く中で、福井のためにできることはないかずっと考えていた。今回の知事選挙は、私のふるさと福井への恩返しのチャンスだと思っている。県民としての誇りを持って、全身全霊で頑張りたい」
出馬表明が告示の約2週間前と出遅れましたが、若さを前面に打ち出し、急速に支持を伸ばしました。
保守分裂選挙を制す:SNS活用と若年層の支持
今回の知事選は、保守分裂選挙となりました。
石田嵩人氏: 福井市議会の保守系会派が支援、自民党県連の山崎正昭会長らの支援も受ける
山田賢一氏: 自民党支持、日本維新の会・国民民主・公明・立憲民主各党の県組織の推薦、連合福井など700以上の団体からの支持
組織戦を展開した山田氏に対し、石田氏は以下の戦略で勝利しました。
SNSを積極的に活用
石田氏は、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを積極的に活用し、若年層への訴求を強化。現代的な選挙戦術で支持を広げました。
福井市など都市部に特化
地元の福井市で4度開いた個人演説会には、毎回300人以上が集まりました。支援に回った福井市議がそれぞれの地盤を奔走し、県人口の3分の1を占める市内の票を固めました。
参政党との協力関係
選挙戦終盤からは、参政党の支援も受けました。県議福井市選挙区補選に立候補した参政党の新人候補とも協力関係を築き、党支持者を一定数取り込みました。
参政党の神谷宗幣代表は福井県に入り、石田氏を応援するよう呼びかけていました。
石田嵩人の公約:「躍動する福井」
石田氏が掲げたテーマは「躍動する福井」。主な公約は以下の通りです。
子育て支援の拡充
子育て世代への支援を充実させ、福井県を「子育てしやすい県」にすることを約束しました。
U・Iターンの促進
若者が福井に戻ってくる、または移住してくる環境を整備。人口減少対策を強化します。
北陸新幹線の全線開業
前知事の路線を引き継ぎ、小浜―京都ルートでの北陸新幹線全線開業を推進します。
県政の刷新
セクハラ問題で失墜した県政の信頼回復と、組織の再建に取り組みます。
「必ず必ず、石田嵩人を選んで良かったという県政にします」
石田氏は、県民の期待に応えていく強い決意を示しました。
全国最年少知事、戦後2番目の若さ
石田嵩人氏(35歳)は、現職知事として全国最年少となります。
戦後の公選知事では、2番目の若さです。
これまでの最年少記録は、以下の通り。
- 戦後最年少: 東龍太郎氏(東京都知事、1959年当選時42歳)※後に記録更新があった可能性
- 現在の全国最年少市長: 石田健佑氏(秋田県大館市長、2024年当選時28歳)
35歳という若さで都道府県知事に就任するのは極めて異例です。
福井市出身の知事は史上初
公選知事となって以来、福井県知事で福井市出身者はいませんでした。
福井市議会の保守系会派が石田氏を擁立した理由の一つが、「福井市出身の知事誕生」という悲願でした。
見谷喜代三議員(福井市議会最大会派・一真会)は、石田氏の出馬会見に同席し、次のように述べました。
「県政史上まだいない福井市出身の知事誕生はわれわれの夢。長く福井県を支えてくれる候補として適任」
福井市出身の石田氏の当選は、地元にとって歴史的な出来事となりました。
当選後のコメント:「県民の声聞き、県政を前へ」
当選が決まった2026年1月26日未明、石田氏は福井新聞社を訪れ、次のように語りました。
「県民の声を聞き、県政を前に進めていきます。決断と実行力で、福井県を変えていきたい」
セクハラ問題で揺れた福井県政の立て直しと、若さを活かした新しい県政運営が期待されています。
まとめ
2026年1月25日、福井県知事選挙で元外務省職員の石田嵩人氏(35歳)が初当選しました。セクハラ問題で前知事が辞職した福井県で、若さと県政刷新を掲げた石田氏が、自民党支持の山田賢一氏(67歳)との保守分裂選挙を制しました。石田氏は全国最年少の現職知事となり、戦後の公選知事では2番目の若さ。幼少期をロンドンで過ごし、9.11をきっかけに国際関係に興味を持ち、関西外国語大学から外務省へ。「ふるさとへの恩返し」として出馬し、SNS活用と若年層の支持で勝利しました。「躍動する福井」をテーマに、子育て支援の拡充やU・Iターン促進などの公約を掲げています。


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