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現場でよく聞くIT用語!!「DFD」について解説!

DFD(Data Flow Diagram)は、IT業界で使用されるシステム分析と設計の手法の一つであり、情報処理システムの機能やデータの流れを視覚的に表現するために使用されます。DFDは、システムの構造と機能を明確にするだけでなく、ビジネスプロセスの改善や問題の分析にも役立ちます。

DFDは、次のような主要な要素で構成されています。

1. プロセス(Process):システム内で行われる特定のアクションや操作を表します。プロセスは、データの入力を処理し、出力を生成する機能単位です。例えば、顧客登録や注文処理などがプロセスとして表現されます。

2. データフロー(Data Flow):システム内でデータが移動するパスを表します。データフローは、プロセス間やプロセス内で発生し、データの入力元と出力先を示します。例えば、顧客情報をデータベースに保存する場合、顧客情報がデータフローとして示されます。

3. 外部エンティティ(External Entity):システムと対話し、データの入力または出力を行う外部の要素を表します。外部エンティティは、ユーザー、他のシステム、オンラインフォームなどが含まれます。例えば、顧客や販売員が外部エンティティとして示されます。

4. データストア(Data Store):システム内でデータが永続的に保存される場所を表します。データストアは、データベースやファイルなどの形式で実現されることがあります。例えば、顧客情報を保存するデータベースがデータストアとして示されます。

DFDは、これらの要素を使用して、システム全体の構造を階層的に表現します。通常、レベル0からレベル2までの階層があります。レベル0は、システム全体の概要を表し、主要なプロセス、データフロー、外部エンティティ、データストアを示します。レベル1およびレベル2は、レベル0のプロセスを詳細化し、さらに細かいレベルのプロセスやデータフローを示します。

DFDは、ITプロジェクトの初期段階で使用され、システムの要件定義や設計のためのモデルを作成する際に有用です。DFDは、以下のような利点を提供します。

1. 複雑なシステムをシンプルに表現することができます。DFDは、システムの概要を簡潔に示すため、関係者間でのコミュニケーションを容易にします。

2. システムの機能やデータフローを可視化することができます。DFDは、システムの要素やプロセスの相互関係を明確に示すことで、システムの動作を理解するのに役立ちます。

3. ビジネスプロセスの改善や問題の特定に役立ちます。DFDは、現行のビジネスプロセスを分析し、改善の余地や問題点を特定するのに役立ちます。

4. システムの設計や開発プロセスをサポートします。DFDは、システムの要件を明確化し、設計や開発のガイドとして使用することができます。

総じて言えることは、DFDはシステム分析と設計の手法として、システム全体の構造やデータの流れを明確にするために使用される有用なツールであると言えます。