• IT用語に迷ったらここを見よ!

現場でよく聞くIT用語!!「トロイの木馬」について解説!

トロイの木馬(Troyan horse)は、コンピュータやネットワークシステムに潜り込んで、攻撃者による不正行為を可能にするマルウェア(悪意のあるソフトウェア)の一種です。その名前は、古代ギリシャの都市トロイに由来しており、木馬の姿で敵の城壁を乗り越える様子に似ていることから名付けられました。

トロイの木馬は、一見すると普通のプログラムやファイルに偽装されています。ユーザーは、この木馬を意図せずに自分のコンピュータにインストールしてしまうことがあります。例えば、メールの添付ファイルやウェブサイトからのダウンロードなど、様々な手法で伝播します。

木馬がコンピュータに侵入すると、攻撃者はリモートでコンピュータにアクセス可能になります。攻撃者は、機密情報の盗聴、コンピュータへのダメージ、他のマルウェアのインストールなど、さまざまな悪意のある行為を行うことができます。

一般的なトロイの木馬の機能には次のようなものがあります。

1. バックドア: トロイの木馬は、バックドア(裏口)を作成して攻撃者にコンピュータへのアクセスを許可します。攻撃者は、このバックドアを通じてコンピュータに遠隔で侵入し、悪意のある行動を行います。

2. キーロガー: トロイの木馬は、キーロガーと呼ばれるプログラムを含んでいることがあります。キーロガーは、ユーザーが入力したキーストローク(タイピングの入力)を記録することができます。攻撃者は、キーロガーを使用してパスワードや機密情報などの個人情報を盗むことができます。

3. リモートコマンドエクスキュータ: トロイの木馬は、特定のコマンドを受け取ると、それを実行することができます。攻撃者は、この機能を使用して、コンピュータ上でプログラムを実行したり、ファイルを削除したり、コンピュータを無効化したりすることができます。

4. ドス攻撃: トロイの木馬は、攻撃者が指定したタイミングで大量のネットワークトラフィックを生成することができます。これにより、サーバーがダウンしたり、ネットワークパフォーマンスが低下したりするDos攻撃を実行することができます。

トロイの木馬は、個人情報の盗難や金銭的な損失、システムの停止など、多くの被害をもたらす可能性があります。そのため、個人や組織は、定期的なウイルススキャンやマルウェア対策のソフトウェアの導入など、セキュリティ対策を行うことが重要です。

さらに、ユーザーは、不審なメールやリンクを開かないようにし、信頼できないソースからのダウンロードを避けるなどの注意を払う必要があります。また、最新のセキュリティアップデートをインストールしてシステムを更新することも重要です。

トロイの木馬は、その卑劣な手法や被害の大きさから、IT業界や一般のユーザーにとって重要なセキュリティ上の脅威となっています。