「ブレスト」とは、IT業界で頻繁に行われるアイディア出しの手法の一つです。具体的には、プロジェクトチームやグループで集まり、あらかじめ定めたテーマや課題に対して、アイディアを出し合うことを指します。
「ブレスト」の名前は、「brainstorm(脳の嵐)」から来ています。この手法では、参加する全員が自由に発言することができ、少なくとも最初の数十分間は批判や否定はせずに、アイディアをただ出し合うだけに徹します。これは、アイディア出しの時間を有効に使い、創造性を高めるためのものです。
「ブレスト」の適用範囲は、IT業界に限らず、広くビジネス・マーケティングなど多くの分野で使われています。しかし、IT業界での「ブレスト」は、プロジェクト開発時の戦略的な意思決定や、問題解決などの分野で、特に重要な役割を果たしています。
「ブレスト」の手順は、以下の通りです。
1. テーマ・目的の決定
最初に、アイディア出しにおけるテーマや目的を定めます。これは、難解な問題や新しいアイディアの発見など、具体的な目的を掲げ、参加者が明確な方向性を持つことができるようにします。
2. ブレストの実行
アイディアを出し合う時間を設け、全員が自由に意見を出し合います。少なくとも最初の数十分間は批判や否定はせず、とにかくアイディアを出し合うことがポイントです。出されたアイディアは原則としてすべて受け入れ、評価対象とします。
3. アイデアの絞り込み
アイデアを出し終えたら、出されたアイディアの中から優れたものをピックアップし、絞り込んでいきます。この時、最初に出されたアイデアが必ずしも優れているわけではないため、改めて出されたアイディアを再評価することも必要です。
4. アイディアの評価
絞り込まれたアイディアを評価し、優先順位をつけていきます。アイディアの評価基準は企業やプロジェクトによって異なりますが、実現可能性やビジネス的な価値、実現までのコストや時間などが重要な評価ポイントとなります。
5. アイデアの実行
最後に、優先順位の高いアイディアをプロジェクトに落とし込み、実行に移します。実行にあたっては、細部までの計画を立て、担当者を決定し、具体的なスケジュールを策定する必要があります。
以上が、IT業界で頻繁に使用される「ブレスト」の手順となります。この手法を使えば、適切なテーマや目的を設定し、多様な考え方や経験を持つ参加者から多彩なアイデアを引き出すことができます。アイデアが出た後も、合理的な評価を行い、優れたアイデアを導き出すことが大切です。そして、最終的には、実行計画を立案して、プロジェクトを成功に導いていくことが「ブレスト」の目的となります。