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現場でよく聞くIT用語!!「ポリモーフィズム」について解説!

ポリモーフィズムは、IT業界で広く使用されるログラミングの概念であり、オブジェクト指向プログラミングの重要な要素です。ポリモーフィズムは、異なるクラスやオブジェクトが同じメソッド名を持つことができ、同じメソッド名を呼び出した場合でも、それぞれのクラスやオブジェクトに応じて異なる振る舞いをすることを意味します。

ポリモーフィズムの主な目的は、コードの再利用性と保守性を向上させることです。これは、プログラムをより柔軟に設計し、変更に対してより強力にしてくれます。例えば、異なる種類の形状を表す「Shape」という基底クラスがあるとします。このクラスには「area」メソッドがありますが、具体的な形状には依存しません。

この基底クラスを継承する具体的な形状のクラスとして、円や四角形などが考えられます。それぞれの形状クラスは、基底クラスで定義された「area」メソッドをオーバーライドすることができます。オーバーライドされた「area」メソッドは、それぞれの形状に応じた計算を行います。

このような設計では、異なる形状のオブジェクトを統一的に扱うことができます。例えば、円の面積を計算する場合には、円のオブジェクトの「area」メソッドを呼び出し、四角形の面積を計算する場合には、四角形のオブジェクトの「area」メソッドを呼び出すことができます。

ポリモーフィズムは、多態性とも呼ばれ、異なる型のオブジェクトを統一的に扱うことができるという柔軟性を提供します。これにより、プログラマはより効率的にコードを記述し、メンテナンスを容易にすることができます。また、オブジェクト指向プログラミングの原則である「拡張に開かれ、修正に閉じた」設計原則にも符合しています。

さらに、ポリモーフィズムは、オブジェクト間の結合度を低く保つことも可能にします。つまり、プログラム内の異なるクラスやオブジェクト間の依存関係を減らし、一つの変更が他の部分に与える影響を最小化することができます。これにより、プログラムの保守性や拡張性が向上します。

ポリモーフィズムは、さまざまな場面で使われています。例えば、GUIアプリケーションでは、ボタンやフォームなどのコンポーネントが共通のメソッドを持ち、それぞれのコンポーネントが適切な処理を行います。また、データベース処理でもポリモーフィズムが活用され、異なるデータベースエンジンに対して同じメソッドを使用してデータを操作することができます。

ポリモーフィズムは、オブジェクト指向プログラミングの基本的な概念であり、プログラマによる柔軟なコード設計を支える重要な要素です。その利点は、コードの再利用性と保守性の向上、プログラムの拡張性の高さ、オブジェクト間の疎結合性の確保など、多岐にわたります。IT業界において、ポリモーフィズムは頻繁に使用され、高度なプログラミング技術の一部として広く認識されています。