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現場でよく聞くIT用語!!「決定木」について解説!

決定木は、機械学習アルゴリズムの一つであり、データの分類や予測モデルを構築するために使用される手法です。決定木は、木構造のモデルを用いてデータの分類のルールを学習します。この木構造では、データの特徴量が分岐点として配置され、各分岐点ごとにデータが分類されていきます。

決定木のモデル構築の手順は、最初にデータセットを特徴量と目的変数に分割します。そして、データの特徴量をもとに最適な分割の条件を決定します。具体的には、特徴量の中でデータを最も効果的に分割するための指標である不純度(Impurity)を計算し、その不純度を最小化するような特徴量と閾値を選択します。この不純度の減少を最大化するように分割することで、データを効果的に分類することができます。

決定木の大きな特徴は、モデルの解釈性が高いという点です。構築された木構造は、分岐点として使用された特徴量や閾値に基づいて分類のルールを示しており、人間が理解しやすい形で表現されます。また、決定木は特徴量のスケールに依存しないため、データの前処理を行う必要がなく、欠損値を適切に処理することも可能です。

しかし、決定木にはいくつかの欠点も存在します。まず、過学習のリスクがあります。木構造は、データセットに過度に適合する傾向があるため、過学習を防ぐためには適切な枝刈りが必要です。また、決定木は特徴量の相互作用を考慮せず、独立した特徴量のみに基づいて分類を行うため、複雑なパターンや相互作用を持つデータの場合には性能が悪化する可能性があります。

これらの欠点を補うために、決定木のアンサンブル学習手法であるランダムフォレストや勾配ブースティングなどが開発されました。これらの手法は、複数の決定木を組み合わせることで予測精度を向上させることができます。

決定木は、さまざまな分野で使用されています。例えば、医療診断や信用評価、顧客セグメンテーションなど、データの特徴量をもとに判断を下す必要がある場面で利用されます。また、画像やテキストの分類、異常検知などのタスクにも応用が可能です。

決定木は、機械学習の初心者にも取り組みやすい手法であり、モデルの解釈性や柔軟性が求められる場合に有用です。ただし、データセットの特徴や目的に合わせて適切なハイパーパラメータを設定するなどの注意が必要です。最新の研究では、決定木の改良や高速化も進められており、今後ますます広範な分野での活用が期待されています。