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現場でよく聞くIT用語!!「ROM」について解説!

ROM(Read-Only Memory)は、情報技術(IT)業界で広く使用されるメモリの一種です。ROMは、データを一度プログラミングすると、その後は電源が切れてもデータが保持されるという特徴を持っています。以下では、ROMについて詳しく説明します。

ROMは、情報を格納するための不揮発性(非揮発性)メモリであり、主に製造元によって予めプログラムされたデータを保持します。このため、ROMのデータは読み取り専用であり、書き換えることはできません。コンピュータや電子機器において、不変のデータや固定的な情報(例:ブートストラップコード、ファームウェア、オペレーティングシステム)を保存するのに使用されます。

ROMは、その構造によっていくつかのタイプに分けられます。

最も基本的なROMの一つは、マスクROM(Masked ROM)です。マスクROMは、製造時にROMチップの回路を作成するために使用されるマスクパターン(パターン化された回路)を使用して作られます。マスクROMはプログラム手法とも呼ばれ、データが固定されており、一度プログラムされたら変更ができないため、信頼性が高く、安価に生産することができます。

一方、可変データを格納するために設計されたROMタイプもあります。例えば、PROM(Programmable ROM)は、ユーザーがデータを一度だけプログラミングできるROMです。PROMはユーザーが個別のデータを格納するためのカスタムロジック回路を作成する必要があるため、製造コストや時間がかかります。

EPROM(Erasable Programmable ROM)は、データのプログラムと消去が可能なROMです。EPROMは、特殊な装置を使用してデータをプログラムしたり、消去したりすることができます。EPROMは、再書き込みが可能な性質を持っていますが、消去には紫外線を使用するため、工程が煩雑で逆に製造コストが高くなってしまいます。

さらに、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)は、電気的に消去できるROMです。EEPROMは、紫外線を使用するEPROMに比べて簡単にデータを消去できるため、より柔軟にプログラムと消去が可能です。EEPROMは、一度に1バイトずつデータを書き込み、消去できるため、修正や更新が必要なデータに適しています。

最後に、フラッシュROM(Flash ROM)は、EEPROMの一種ですが、より高速なデータアクセスと消去が可能です。フラッシュROMは、一度に大量のデータを書き込み、消去できるため、主にUSBドライブやSDカード、ソリッドステートドライブ(SSD)など、移動できるデータ保存デバイスに使用されます。

これらの種類のROMは、IT業界でさまざまな目的に使用されています。その信頼性、耐久性、データの永続性から、ROMは情報の保持とアクセスに重要な役割を果たしています。